NAPP工法とは
NAPP工法とは、NAPPユニットと呼ばれる予め緊張された状態の中空PC鋼棒を型枠内の所定置に配置し、コンクリートの打設、硬化後に緊張力を解放して、コンクリート部材へプレストレス力を導入するプレテンション方式によるPC工法のひとつです。プレストレス力の導入は、施工現場において電動レンチを用いた専用の解放機器により容易に行うことができ、施工現場での緊張管理は不要となります。
NAPP工法は、従来のプレテンション方式とポストテンション方式の利点を併せ持った画期的な省力化PC工法として1992年に実用化されました。1997年には本工法の普及と発展を図ることを目的として「NAPP工法技術研究会」が設立され、より広範囲な皆様のご要望にお応えできる体制が整えられました。
また、NAPPユニットは建設省(当時)、大学、日本道路公団および(財)土木研究センターの各専門委員で構成された技術審査証明委員会のもと、プレストレストコンクリート部材への適応性、性能、安全性等が審査され、1998年1月に呼び名20T、30T、40Tは民間開発建設技術の技術審査証明を取得しました。その後、市場の要請にこたえて60T、20S、40Sを追加し、ラインアップの充実をはかっております。
プレストレス導入手順
NAPP工法におけるコンクリート部材へのプレストレスの導入は、以下の手順で行われます。ここでは標準タイプを例にとって示します。
〔専門工場での工程〕
Stage-2 鋼棒・治具の組立
アンカーナットに反力をとらせて中空PC鋼棒内の反力PC鋼棒を圧縮用ロッドと押込みピースを介して油圧ジャッキで押込み、中空PC鋼棒に引張力を導入します。次にストッパーで反力PC鋼棒が元の長さへ戻らないように拘束します。完成したNAPPユニットに安全装置を取り付けた後、専門工場から出荷します。